SMAC0723レンズ天体 (z=7.7x2, z=8.5) に関する論文のまとめです
調査済みの論文(著者)ー*は個人的おすすめ論文
- arXiv:2207.10034 (D. Schaerer et al.) - 紹介ページ
- arXiv:2207.12375 (M. Curti et al.) - 紹介ページ
- arXiv:2207.12388 (J. R. Trump et al.)* - 輝線比の選択が良い
- arXiv:2207.13020 (J. E. Rhoads et al.) - サイズ情報あり
- arXiv:2207.13693 (H. Katz et al.) - 比熱的成分についても調べている
- arXiv:2207.14265 (J. A. A. Trussler et al.) - サイズと色の方がメイン?
- arXiv:2208.02562 (K. Z. Arellano-Córdova et al.) - CIII]も利用
- arXiv:2208.03281 (S. Tacchella et al.) - SEDについて詳しく調べている
- arXiv:2208.06418 (A. J. Taylor et al.) - 先行研究の比較表あり
- arXiv:2207.07467 (J. Brinchmann)* - 先行研究をフォロー、アナログとの比較
- arXiv:2208.07879 (C. L. Steinhardt et al.)* - SPS at z>8について
共通見解
- 3天体ともq(=O32,Ne3O2)が高いが、アナログと類似かそれ以上かはマチマチ
- z=7.7の2天体は重元素量的にはz=2-3銀河と同程度
- z=8.5銀河は[OIII]4363/[OIII]5007も凄い高い(重元素量も低い)
- 元データのフラックス較正は改良する必要あり
争点
- z=8.5銀河はz<3にある初期宇宙銀河アナログ(と信じて精力的に調べられてきた種族)
と類似してるかどうか=[OIII]4363の異常な明るさはリアルなのか - AGNなのかどうか(だとすると重元素量診断は使えません)
- 初期宇宙特有の兆候は見えているか・いないか
雑感
- 段々データ点が収束してきて落ち着いてきた気もする…
- 類似してるかの判断自体は主観に依る部分も大きいので難しいところ
- z=8.5の輝線スペクトル分布が特殊(レア)というのは共通認識っぽい?
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| Brinchmann+, Fig.4 |
電離領域を特徴づける指標
- 温度 (T_e)、圧力 (P)
- 密度 (n_e)
- 電離パラメータ (q, U)
- 重元素量(Z)
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| Kewley+2013, Fig.2 |
初期宇宙で強く影響を受けるかもしれない三大要素(*私見、他にもあるかも)
- [ほぼ確] 低金属量(星):大質量連星の燃焼過程に変化:H⇒Heが長期続く
- [確] CMB:近傍の星形成ガス(分子ガス)よりもCMB温度が高い
- [未] 宇宙線:宇宙線エネルギー密度が数桁高いかもしれない:非熱的成分
大雑把には…
- 1,(3)は電離領域の温度上昇に寄与 (T_e)
- 2,(3)は星形成ガスの温度上昇に寄与⇒top-heavy IMF⇒電子温度上昇 (T_e)
- 2は初期宇宙でしか影響しない(アナログとの違い)、どこにいても影響
- 3は近傍では局所的にしか影響しないと言われている(約1%以下)
- 3も銀河全体で考えると初期宇宙限定かも(あればの話ですが…)
- ほか、AGNやWR星の影響があるかもしれない(Ne4やHe2が受かれば制限可能)
比較的現実的な確認方法(*私見、他にもあるかも)
- 紫外域の中-高分散分光(ただし連星については不明点が多く実際のところ困難)
- 理想:CO遷移を調べる⇒代替案:ダスト温度を調べる
- FIR/Radio比:シンクロトロン放射の寄与計算(FIRから自由−自由放射を分離)
より詳しく知りたい人向け
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| 宇宙背景放射とダスト温度と赤方偏移の関係。 CMB: Maeder 2017 (standard law), Dust: Schreiber et al. 2018 青ハッチ領域は系内における星形成ガスの温度分布 (Svoboda et al. 2016)。 |
結局何が面白いか
⇒ z=8.5銀河
- 輝線スペクトルが顕著に印象的で初期宇宙特有の影響があるかもしれない
- 個別の輝線比はともかく全体についてモデルで説明するのが中々に難しい
- CIII]検出:C/Oが高いとするとWR星の可能性も出てくるがキャリブの不定性大
- この天体が特別なのかz>8超えでは割と普通なのか…今後の観測に期待
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| Trump+, Fig.5 |
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| Brinchmann+, Fig.7 Te法, 輝線+連続光フィット (Cloudy_old+BC93, Cloudy_v13+BC03), 4363/Hg比アナログ |
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| Arellano-Córdova+, Fig.3 |
近傍アナログ(4363/Hg)選択(Brinchmann+)
SDSS DR7より選出。もとの数が記載されてないが、多分~90万天体(4363検出~1800天体)
フラックス較正の比較(Taylor+)
- 4590 (z=8.5): 13天体 (6xAGN,4xSF,2xComp,1xUnknown)
- 6355 (z=7.7): 155天体 (76% SF, 他ほぼAGN)
- 10612 (z=7.7): 172天体 (SF3天体のみでほぼAGN)
*6355は[NeIV]が受かってることからほぼほぼAGN(輝線ProfileもAGNっぽい)
**10612もアナログ的にAGNかもしれない
***z=2のBPTの経緯もあるしアナログ情報で断定はできない点に注意
- Curti+,Brinchmann+はBB測光値でフラックスロス補正してるので
バルマー比で補正しないスタンス(Rhoads+はよく分かりませんでした)
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| Taylor+, Tab.1 |
SEDフィットについて(Tacchella+)
- フッラクスロスも考えて分光+測光使ってセルフコンシステントにSEDフィット
⇒ Carnall+よりAgeが数倍古くなって質量ちょい大きめに (Schaerer+より小さい) - Rising SFH が良い
- 測光データのみでSFHのprior色々変えても調査⇒星質量推定に影響 (若いので)
- 私見:Prospectorは自由度が高いが、何でも高ければ良いことでもない点には注意
- 様々なケースでどれくらい物理量が変わるのかを調べた論文と捉えれば良いだろう
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| Tacchella+, Fig.4, Tab.1,2 |
SPSについて(Steinhardt+)
- z>8用にガス温度が上がるとbottom-lighterになるIMFを仮定 (Jermyn et al. 2018)
- Tg=40,60Kの2つのテンプレを新たに用意
- 一般的なモデルだとSEDは尤もらしくてもモデルグリッドの端になって誤差が不正確
- これを使うと星質量が1-1.6dexも下がった(星形成率も同様)
- 実際COSMOS30bandで試すと星形成銀河のTgasの赤方偏移上昇が見える
- そもそも近傍IMFに合わせて星質量求めるとΛCDMのバリオン割合に合わない
これらを信じるとすると…
- これまでの最遠方銀河の質量がどれもえらく大きかったのでまあ納得?
- IMFが違えば当然FMRの仮定も根本から変わってくる
- CSFRDも下がる
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| Steinhardt et al. Fig.2 Galactic IMF->More Realistic IMFでどれくらい質量がずれるのか |









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